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2010年10月02日

[再掲載] アメリカの生卵食べてます。

2008年1月28日掲載
過去ログに埋れていたので再掲載。大型リコールのあった後ではありますが。。。

tamago.jpg生卵が大好きな編集長は、卵ご飯が好物で、そばにもカレーにも生卵をかけて食べます。これはアメリカに来ても変わっていません。

カリフォルニアではレストランなどで卵を生で出すことが禁止されていて、FDA(米食品医薬品局)からも生卵を食べないように指導する通達が出されています。このため、多くの日本人がアメリカの卵は生では食べられないと考え、大好きな卵ご飯やすき焼きを我慢したり、高価な殺菌済み(Pasteurized)の卵を使ったりしています。

しかし、本当にアメリカの卵のほうが日本より危険なのでしょうか?

アメリカでは過去に溶いた卵の液体を運んだトラックで洗浄せずにアイスクリームを運んだために大規模な食中毒を出したことがあり、この再発防止策として卵の管理が徹底され、生食の警告も厳しくなりました。これは、誰かが卵で食中毒になったときに、あらかじめ警告をしなかったことで訴えられるリスクを避けるためです。Cover Your Own Ass

このおかげで、アメリカの卵は輸送時も店頭でも5℃以下として、常温にさらしてはいけないことになっています。これは、サルモネラ菌が20℃以上で増殖するからです。・・・・あれ?日本のスーパーを思い出してください。卵は常温で陳列されていませんでしたか?

さらに、具体的な統計があります。

日本でのサルモネラ菌に汚染された卵の割合は(ちょっと古いですが)1992年の調査で1万個に3個くらいだそうです。

10数年前の調査では、1万個に3個くらいの汚染卵が見つかりました
鶏卵生産におけるサルモネラ汚染防止について(社団法人日本養鶏協会)
 卵のうち0.03%(4千個に1個程度)からサルモネラ・エンテリティディスが検出されたという報告があります。
卵とサルモネラ食中毒(神奈川県ホームページ)

これに対してアメリカでは2002年の調査で年間690億個の卵消費のうち、サルモネラ菌汚染は230万個だそうです。ということは、0.003% すなわち3万個に1個ということになります。

The baseline model estimates an average production of 2.3 million SE-contaminated shell eggs/year of the estimated 69 billion produced annually
An overview of the Salmonella enteritidis risk assessment for shell eggs and egg products.(National Center of Biotechnology Information)

ということは、なんですか? 日本の卵のほうがサルモネラ感染率は10倍。で、危険なほうの日本で毎日生卵を食べても、感染するのは10年に一度。アメリカに至っては82年に一度

The model estimates approximately 94% of these cases recover without medical care, 5% visit a physician, an additional 0.5% are hospitalized, and 0.05% result in death.
しかも、サルモネラにあたっても94%は病院にいかずに自然治癒。入院するのは0.5%、死亡するのは0.05%。

なーんだ。卵で食中毒になるより、卵ご飯に醤油をかけすぎで高血圧や糖尿になるほうがよっぽどリスクが高いんじゃないですか。


さ、これで安心して明日からも卵ご飯が食べれますね。私のような、なんと言われようと止められないからどうせ食べる、という人には気休めにはなるでしょう。「お腹壊すかもしれない」と言われただけでお腹が痛くなってくるような人は止めておきましょう。


*上記のデータについては、Googleでさらっと検索しただけです。間違いや古いデータも含まれているかもしれません。
*この記事を読んで生卵を食べてお腹を壊した人がいても、地方版では一切責任を取りません。On Your Own Riskでどうぞ。


追記:アメリカは生での食用を前提としていないため卵の賞味期限が30~60日と日本の20日よりかなり長いので、生で食べる場合は賞味期限内でも早めに頂くようにしましょう。サルモネラでなくても、傷んでいる可能性は高そう。


投稿者 Editor : 2010年10月02日 09:20



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