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2010年02月22日
【社員食堂レポート】第二十八回:Electronic Arts (EA)
シリコンバレーにキャンパスがある企業のカフェテリアを訪問する、「シリコンバレー地方版:社員食堂レポート」も第二十八回を迎えました。今回は、レッドウッドシティにあるゲームソフトメーカ、Electronic Arts (EA) 社を訪問しました。
EAといえばなんと行ってもSIMSやシムシティなどのシミュレーション系のゲームが有名ですが、他にもFIFA, Maddenなどのスポーツゲームも人気く、最近ではビートルズのRock Bandなどもオッサンホイホイとして我々の世代の人気を集めています。
EAの本社はオラクルにも近いレッドウッドシティにあり、大きな三つのビルに約4,000人の社員が勤務しています。従業員数では最近まで全米No.1のゲームソフトメーカでしたが、最近他社の統合などがあり現在は2番目となっています。会社は1982年創業と業界では歴史があり、従業員数は全世界で9000人です。
受付のすぐ近くにEAの歴史を辿る様々なアイテムが展示されているコーナーがありました。中には発売前のゲーム機メーカから提供される開発専用機などのレアアイテムも発見。写真はSEGAのジェネシス開発機と思われます。
社内を歩いていると、ところどころに最新のゲームがプレイできるようにゲームマシンとモニタが設置されいます。SIMS開発チームの入っているビルの受付は特に派手な作りになっていて、薄暗いフロアにゲームのお試し機が並び受付ブースの背後には巨大なスクリーンが最新作のビデオを流してまるて展示会会場のブースのようです。新卒の企業訪問などは必ずここに案内して度肝を抜くそうです。こんな所に案内されて、ここが職場だと言われたらゲーム好きの学生だったらひとたまりもありません。
社内には、その他の福利厚生設備も充実しており、託児所やスポーツクラブさながらの充実したジムももちろん無料で利用する事ができます。また、ユニークなのはゲームやビデオのレンタルサービスがあり、社員なら最新のDVDや他社製を含めたゲームソフトを無料で借りて家に持ち帰ることができるのです。自社、他社の製品をよく知り仕事に役立てるように、と言う事だと思いますがこれはゲーム好きには単純に嬉しいですね。
ゲームはレンタルだけではなく、自社製品を購入するためのショップもあります。もちろん、購入には社員に毎年配られるポイントを利用する事ができるので、余程のハードコアゲーマーでない限りEAに勤める間はゲーム関連の支出の心配は要らないようです。
キャンパス内には二つのカフェテリアがあり、中華からハンバーガーまで様々なメニューから選ぶ事ができます。この日は丁度月に一度の寿司の日で、日本人の板前さん二人キッチンに入って寿司を握っていました。毎月寿司の日には食堂に長い行列ができるそうです。
今回は、寿司も魅力的だったのですが、SIMS 開発チームの入っているもう一つのビルのレストランのグリルメニューから、マッシュルームハンバーガーを頂きました。写真に写っているペットボトルはここでしか見られないEAカスタムボトルです。
今回EAを案内して下さったのは、オンラインゲームコミュニティ、pogo.comのプロデューサーを勤める Mark Lackey さんです。Mark さんは、これまでにシリコンバレーで複数のスタートアップでウエブ開発やEコマースのQAなどの携わった経験を活かし、5年前からEAのオンラインサービスを担当しています。プロデューサーというポジションは様々なプロジェクトで営業やマーケティングと開発チームの間に入り、プロジェクトの進行を管理すると言う重要な役目で、両者の板挟みになり調整が大変なこともあるが、プロジェクトを成功させた時の達成感たまらないと熱く語って下さいました。
日本にも住んでいた事があるというMarkさんは、アニメやゲームなどの日本の文化にも興味があり、日米でのゲームの違いなどについて面白い話しを沢山聞かせてくれました。日本のゲームとアメリカのゲームには大きな違いがあり、日本向けに作られたゲームがアメリカでヒットしたり、逆にアメリカのゲームが日本で人気になることはあっても、アメリカのゲーム会社が日本市場をターゲットに作ったゲームで成功するのは非常に難しいそうです。EAでもこれまでに、日本市場向けにアニメっぽいキャラクターを使ったゲームが逆にアメリカでヒットしたりと、日本市場はなかなか攻略が難しいようです。
また、最近ではiPhoneのApp Storeように、ゲームソフトもパッケージの流通からデジタル配信に移り変わって行く傾向があり、これまでの小売店や流通との関係を保ちながら大きな方向転換が迫られているそうです。今後は、ゲームソフトも映画やテレビ、ウエブなど他の様々なデジタルエンターテイメントとの間の境界が無くなり消費者のシェアを奪い合う構図が強くなっていくようです。
投稿者 Editor : 2010年02月22日 09:28
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