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2008年05月26日
ファニメコンレポート:その四
今回のイベントの取材の中で、アーティストブースで似顔絵を描いていた Lisha Leeさん(20歳学生)をインタビューしていたところ、日本人と思われる三人組が、Lishaさんとイラストを交換したいとやってきました。たまたま居合わせたので、通訳をしていたのですが、Lishaさんがかなり興奮しているので、詳しく聞いたところ日本人3人は、ファニメコンがオフィシャルゲストとして招待した日本のアニメ製作会社「ガイナックス」からパネリストとして来米していたガイナックス生え抜きのアニメーター、すしおさん、久保田誓さん、小島大和さんだったのです。
名前を聞いてピンと来ない人でもエヴァンゲリオン、グレンラガン、おじゃ魔女どれみ、ワンピース、デジモンアドベンチャー、サクラ大戦、スチームボーイ、NARUTO、犬夜叉などの原画や作画監督を務めた三人と言えばその凄さがわかるかと思います。
ガイナックスの皆さんは昨日アーティストブースに立ち寄った際に、Lishaさんのイラストに感銘を受け、是非イラストを交換したいと二日目のトークセッションの後、他のメンバーはマスカレードに行ったのに再度アーティストブースを訪れたのでした。
日本のアニメが大好きで、エンドロールのクレジットを見なくても各エピソードの作画監督の名前まで分かってしまうというほど、アニメオタクなリーシャさんは、大好きなグレンラガンの作画監督がイラストの交換を申し出てくれたことで大興奮。周りのブースにいた同じくガイナックスアニメのファンの友達を呼んできて、急遽日米イラスト描き下ろし交換会となったわけです。
リーシャの友達のエイミーなどは、ガイナックスの最新アニメ、グレンラガンの大ファンで、会場に日本語の原画集やガイド本などを持ってきており、アニメーター本人に目の前でサインしてもらうというハプニングに興奮して言葉も出ず会場を走り回っていました。
イラスト描き下ろし対決の方は、アメリカのファンチームが短時間で上手なイラストを描くという点で圧倒。
ガイナックスの皆さんも、「これならいつでも働ける」と太鼓判。(ただし、本物のアニメーターになるためには絵が上手いだけでなく、動きを上手に表現することが大事だそうです。)
イラスト描き下ろし交換会は、アメリカチーム4人、日本チーム3人を巻き込み、会場がクローズする9時を過ぎても終わらず、事務局のスタッフに撤収を急かされる中、10時頃まで続いた後、場所を近くのピザレストランに移して、交流会となりました。
交流会では、「アメリカのCGアニメは日本のアニメーターについて脅威なのか」「アメリカのアニメファンは、どうやって最新の日本アニメ情報を得ているのか」「日本のアニメーターが低所得、悪条件でこきつかわれているというのは本当か」など、核心に迫った質問などで盛り上がり、ピザ屋を出た頃には深夜零時を回っていました。
こんなにもアメリカの、そして世界の若者の心を掴んで熱中させている日本のアニメーションとオタク文化。これを作り上げているアニメーターや声優などのみなさんこそ、これからの世界で日本を代表する最も大事な役割を担っていると感じました。日本政府は、伝統文化やODAで日本を売り込むのもいいですが、日本を代表するオタク文化を認め、受け入れて、下手なコントロールはせず、規制もせず、正しく発展してゆくようにするためのアシストに力を入れていくべきと強く感じました。そして、我々日本人は、オタクという言葉の持つネガティブなイメージを捨て、日本が世界に誇る文化と胸を張って、アニメがゲームなどの文化を支持してゆくべきだと思います。
地方版編集長は今後も日本のオタク文化を正しくアメリカに広めるために、力を尽くしてゆきたいと思います。
投稿者 Editor : 2008年05月26日 19:29
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